公開日:2025年12月2日
2021年、イタリア・エンナ「コーレ」大学医学部、パレルモ大学医学部内科・老年科、サン・カミルス国際健康科学大学医学部、エンナ「コーレ」大学人間・社会科学科、パレルモ大学心理学・教育科学・人間運動学科、イタリアオリンピック委員会(CONI)シチリア地域スポーツスクールの研究者らは、“アスリートにおけるビタミンDとマグネシウムの重要性” と題した総説を報告したので、その論文概要を紹介します。
ビタミンDとマグネシウムは、アスリートのパフォーマンス、回復、そして健康全般において重要な役割を果たす必須栄養素です。
ビタミンDは、骨の健康(カルシウムの吸収を助け、疲労骨折を予防)、筋肉の機能(筋力低下や損傷を防ぐ)や呼吸器感染症の軽減に不可欠です。
マグネシウムは、筋肉の機能、筋肉の収縮に必要なアデノシン三リン酸(ATP)の生成、電解質のバランス、骨の強度、心血管の健康に不可欠です。健常成人におけるマグネシウム必要量は1日300~400mgと推定されていますが、アスリートは運動不足の人に比べてマグネシウムの必要量が高い可能性があるというエビデンスがあります。
マグネシウムとビタミンDは密接に関連しており、ビタミンDはマグネシウムの吸収を助け、マグネシウムはビタミンDの合成、輸送、そして活性化に不可欠です。アスリートにおける両者の重要性を踏まえ、本稿では、アスリート集団におけるそれらの機能、相互作用、そして摂取不足の影響とサプリメントの効果について解説します。
参考資料:
Dominguez LJ, Veronese N, Ragusa FS, Baio SM, Sgrò F, Russo A, Battaglia G, Bianco A, Barbagallo M. The Importance of Vitamin D and Magnesium in Athletes. Nutrients 17:1655-1680, 2025
https://doi.org/10.3390/nu17101655
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40431395/
【コメント】
MAG21研究会のホームページでは、アスリートとマグネシウムの関係について幾つかの論文を紹介しています。
今回の総説論文の研究者らは、アスリートにおけるビタミンDとマグネシウムの重要性として最近までの多くの文献をレビューし、それらの機能、相互作用、そして摂取不足の影響とサプリメントの効果について解説しています。
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