うつ病、片頭痛、アルツハイマー病、認知機能におけるマグネシウムの役割:包括的レビュー

公開日:2026年4月28日

2025年、ハンガリー センメルワイス大学医学部、同大学フォドール予防・健康老化センター、聖ヨハネ北ブダ中央病院神経内科・脳卒中科、ヤギェウォ大学医学部、センメルワイス大学呼吸器科の研究者らが“うつ病、片頭痛、アルツハイマー病、認知機能におけるマグネシウムの役割:包括的レビュー”に関する報告したので、その論文の要点を紹介します。

マグネシウムは数百の酵素反応に関わる必須ミネラルであり、神経の恒常性維持、神経伝達物質のバランス調整、視床下部–下垂体–副腎系(HPA)軸の活動調節に重要な役割を果たします。 さらに抗酸化作用・抗炎症作用を通じて神経保護効果も示します。

数多くの研究で、血清マグネシウム濃度の低下がうつ病の発症と関連することが示されています。 マグネシウムはセロトニン系・GABA系神経伝達の調節、HPA軸過活動の抑制、炎症性サイトカインの低下を通じて気分に影響を与えます。 ランダム化比較試験では、特に不足が確認された場合、マグネシウム補給がうつ症状の軽減に役立つ可能性が示唆されています。

片頭痛の病態において、マグネシウムは脳血管緊張の安定化、神経過興奮の低減、三叉神経血管系の調節に関与します。臨床研究では、経口マグネシウム補給が、特に前兆(オーラ)を伴う片頭痛患者に於いて、片頭痛発作の頻度と重症度を軽減させることが示されています。

前臨床研究や疫学研究では、マグネシウム不足が神経変性過程、酸化ストレスの増加、タウ病理の進行に関与する可能性が示されています。十分なマグネシウム摂取は、シナプス可塑性や認知機能の維持を支える可能性があります。

総合的に、マグネシウムはうつ病、片頭痛、アルツハイマー病に対する有望な補助療法候補です。しかしながら、様々な患者集団における有効性と安全性を確立するには、さらなる大規模・長期の臨床試験が必要です。

 

参考資料:

Varga P, Lehoczki A, Fekete M, Jarecsny T, Kryczyk-Poprawa A, Zábó V, Major D, Fazekas-Pongor V, Csípő T, Varga JT. The role of magnesium in depression, migraine, Alzheimer’s disease, and cognitive health: a comprehensive review. Nutrients 17:2216, 2025

https://doi.org/10.3390/nu17132216

 

 

コメント

この研究者らは、うつ病、片頭痛、アルツハイマー病、認知機能におけるマグネシウムの役割について包括的レビューをし、十分なマグネシウム摂取がうつ症状と片頭痛の軽減および認知機能の維持を支える可能性を発表されたことに意義があります。

 

マグネシウムの摂取不足は虚血性心疾患、高血圧・糖尿病・メタボリックシンドロ-ムなどの生活習慣病、歯周病、喘息、不安とパニック発作、うつ病、(慢性)疲労、片頭痛、骨粗鬆症、不眠症、こむら返り、便秘、PMS(月経前症候群)、悪阻(つわり)、胆石症、尿路結石、大腸がん、すい臓がん、動脈硬化、全身性炎症性疾患、そして長期記憶、アルツハイマー病、さらには、昨今パンデミックとなった新型コロナウイルス感染症とその重症化リスクなど様々な疾病・病態とも密接に関連していることが基礎的・臨床的・疫学的研究でも明らかにされています。今後マグネシウム摂取の重要性がさらに認知され、正しい食育が行われる事が切に望まれます。

 

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